| 青い石とヘビ |
青い石とヘビ
むかし、あるところに一匹のヘビがいました。 このヘビは、豚や牛まで丸呑みしてしまう凶暴なヘビでした。
あるときヘビは青い石を見つけました。 青い石はキラキラ輝いて、とても美しい石でした。
この石を見たとき、ヘビの心に今まで感じたことの無い気持ちが芽生えました。 『綺麗な青い石さん、どうか私のお友達になってください』 ヘビは青い石にひとめぼれしたのでした。
それから、毎日ヘビは青い石のところへ通いました。 『今日もキラキラな石さん、あなたに似合うお花をもってきました』 ヘビは熱心に話しかけましたが、石は何も言いません。
『かわいい石さん、今日はめずらしい本をもってきました』 一生懸命本を読みましたが、石はなにも答えませんでした。
それでも毎日毎日、石のもとにヘビは通いました。 たくさんの花や、物をヘビはもって行きました。 しかし、青い石は一度もヘビの言葉に返事をすることはありませんでした。
あるとき、ヘビは悲しくなって シクシク泣きながら、石に話しかけました。 『私のかわいい石さん、一言だけでもいいから何かお話してくれませんか?』 石はなにも答えません。 『わたしのことが迷惑だったのでしょうか。もうここには来ません』 ヘビは泣きながら立ち去ろうとしました。
そのときです。 『凶暴なヘビさん』 青い石が呼びかけたのでした。 ヘビはびっくりしながら振り返りました。
『あなたが好きです。でも私は石で、あなたはヘビ。いつか不幸がやってくるでしょう』 ヘビは答えました。 『先の不幸を嘆くより、私はあなたと一緒にいたい』 こうして青い石とヘビは、幸せに暮らすようになりました。
しかし、あるとき、ヘビは青い石をのみこみました。 石をのみこんだヘビは苦しそうにもがきました。 おなかの中から石が叫びます。 『どうして、どうして!私をのみこんだらあなたが死んでしまう!』
ヘビは息も絶え絶えになりながら言いました。 『わたしはヘビだから、好きなものをのみこみたい気持ちに負けてしまった』 『そんな!』 今度は青い石がシクシク泣きながら叫びました。 『わたしは石だから、大好きなあなたを殺してしまう』
ヘビは幸せそうに微笑みながら言いました。 『たとえ死ぬことになっても、幸せなんです。これがヘビとしての私の愛し方だから』 そう言うとヘビは息絶えました。
ヘビが亡くなったその傍で 青い石は今も輝いています。 『ずっとここにいる。これがわたしの愛し方です』 石は空にむかって言いました。
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